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Freshwater Issues
背景
下水
参考資料
背景


淡水湖沼流域の管理もまた、IETCの重要な関心事項です。湖沼は、世界の多くの人々に家庭用水、農業用水および産業用水を提供する地球上で最も重要な水資源です。私達はすべて、宇宙から眺めた地球が「青い惑星」であるというイメージに親しんでいます。このことは水が豊富にあるという印象を与えており、実際そのとおりです。しかし、このようなイメージにだまされることもあります。淡水は地球上の水全体のうち、2.15%を占めるにすぎません。しかもこの数字でさえ誤解を与えかねません。なぜなら、地表の全淡水の99.5%は大陸の氷として閉じ込められているからです。淡水の現状が抱える主要な問題としては、淡水資源の拡大、汚水と雨水、湖沼や貯水池の富栄養化、下水、および、公衆衛生問題があげられます。ここでは、これらの問題をトピックごとに紹介し、論じることとします。このように、淡水は希少な資源であり、しばしば発展の制約要因となることがあるため、その保護には十分な注意を払わなければなりません。

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淡水資源拡大


淡水資源は人間の基礎的なニーズを満たすために不可欠であり、淡水の質と供給の保護が不十分であれば、持続可能な発展が大きく制限される可能性があります。発展途上国や経済体制移行国における健康障害の多くは、水質が劣っていることと水量が限られていることに関係しています。このような国々の多くでは、再生不可能な資源で需要を充足することにより、年間淡水再生率を超えた利用が行われています。こうした水不足は、農村から都市への継続的な人口移動によってさらにひどくなる人口増加、表流水源の汚染、および、生活水準の向上による需要増大など、いくつかの要因によってさらに悪化すると予想されています。

政府は従来から、都市の居住者に対する給水を増加させることによって、需要増に対応してきましたが、水質のよい水源が地理的に遠ざかり、またそれによって調査や開発により多くの費用がかかるようになり、従来のようなやり方を続けることはますます困難になっています。地下水のくみ上げによっても、このギャップを埋めることはできないでしょう。なぜなら、過剰なくみ上げは世界の各地で海水の浸入や地下水面の低下を起こしてきたからです。したがって、計画立案者は、淡水資源を最大限に利用するとともに淡水資源の増大を図るため、従来型および非従来型の両方をより幅広く活用しなければなりません。

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湖沼・貯水池の汚染


湖沼や貯水池には、汚染されやすいという性質や傾向のために特別な特性があります。時間の経過につれて、汚染物質の負荷は、富栄養化を含むさまざまな原因による水質の悪化と生物多様性の喪失をもたらします。湖沼や貯水池の富栄養化は、有機物質・リン・窒素がこれらの水域に継続的に流入することによってますます深刻になります。この栄養分は主として、産業・都市排水だけではなく農業からの流出排水にも起因します。家庭・産業廃水と同様に農業で使用される肥料は直接あるいは河川を通じてこのような水域にたえず流入しています。この問題を改善するために水処理施設が設けられはしますが、流域の総合的な管理、代替的な技術の利用そして一般市民の参加は依然として十分ではありません。

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汚水と雨水


これについては、環境、特に淡水資源の一層の悪化を回避するための汚水管理、および、回収・再利用などによる淡水の利用度・利用可能性の改善という、2つの課題に焦点があてられます。総合的な汚水回収・処理システムを計画し実施することは、発展途上国や経済体制移行国の諸都市が直面する主要な環境上の課題の一つです。多くの都市では、下水道管は整備されてきましたが、処理施設を備えているものはごくわずかです。

世界中の多くの都市を観察すると、下水道施設は、豪雨の際の流出雨水の流下にも利用されています。人工的に地面が舗装されているために地中への浸透性が乏しい都市は、適切な雨水排出措置が講じられないと、洪水の被害を受けやすくなります。都市下水システムの計画の際には、雨水排除システムが検討されなければなりません。流出雨水による汚染は極めて深刻なことがわかってきており、したがって適切な措置についても検討が行われるべきです。

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下水


発展途上国では、下水の90%以上が何の処理もされないまま、河川、湖沼あるいは沿岸水域に直接排出されています。しかし、そのような都市で使用される水の量は、経済の発展とともに増大しています。未処理の汚水は、それを受け入れる水域の環境に被害を与えています。このため、発展途上国や経済体制移行国の大都市の多くでは、回収、流下、処理、再生および排出からなる総合的な汚水管理の必要性が重要な優先事項として認識されています。汚水を処理・管理するための技術は、下水の特性と必要とされる処理水水質基準によって異なります。下水汚泥の処理もまた別のきわめて重要な問題ですが、このことが都市計画立案者によって考慮されることはほとんどありません。システムの運転や維持管理もまた、下水道プログラムを実情に合ったものとする上で重要な側面です。

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公衆衛生問題


水の供給と衛生は、おそらく他のどの分野よりもはるかに、貧困軽減・環境の持続可能性・民間部門主導型の成長・参加型開発・優良な統治など、発展のための行動計画に関するすべての主要な課題に関係します。挑戦はきわめて大きなものです。10億を超える人々が安全な水を利用できず、ほぼ20億の人々が安全な衛生設備を持っていません。依然として毎年、300万人以上が避けることが可能な水に関係した病気によって死亡していることから、緩慢な進歩では容認されません。我々の一員がこうした挑戦に立ち向かうのを促進する際には、我々は、人間中心で、市場を基盤とし、地球にやさしい方法を促進しようと努めます。1980年代および1990年代の水道と衛生への多額の投資にもかかわらず、都市やその周辺部で水道や衛生設備を利用できない人々の数は増大を続けているのです。

健康にとって水はきわめて重要であること、また、家庭用水の需要は増大すると予測されることから、「水に関する満足率」を扱う特別な研究があります。これは、流域における総需要量(家庭用水、工業用水および農業用水の需要)に対する、流域あたりの水供給量(月ごとの降水量と潜在的蒸発量のデータから月ごとの地表流出水量と地下水涵養量を計算した結果)の割合です。

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関連機関とリンク


淡水に関する多くのプロジェクトは、(財)国際湖沼環境委員会(ILEC)との協力で実施されています。その他の関連機関との協力にも努めています。国際水協会(IWA)からは、これらプロジェクトの対象範囲と枠組みを策定するための提案が提供されました。日本下水道事業団(JSWA)、(社)国際建設技術協会(IDI)および日本の関連省庁からは、発展途上国における最新の実践例に関する有益な情報の提供を受けました。さらに、IETCはUNDP-世界銀行の「水道・衛生プログラム(WSP)」とも協力パートナーシップを確立しており、WSPの「方策ガイド(Resource Guide)」とIETCの「情報資料集:ソースブック(Source Book)」は互いに補完しあい広い範囲を網羅するでしょう。

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参考資料


この文書は主として、以下の報告書をはじめ、UNEP、IETC、世界銀行およびUNDP-世界銀行「水道・衛生プログラム(WSP)」のホームページにある資料を基に作成されました。
Vandeweerd, V.; Cheatle, M.; Henricksen, B; Schomaker, M.; Seki, M.; Zahedi, K., Global Environment Outlook (GEO). UNEP Global State of Environment Report 1997.

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