space
UN environmentについて
space
 

 

国連環境計画

国際環境技術センター

 



 


 

 

 

国連環境計画(UNEP)はイラク湿原復元プロジェクトに着手

 

ナイロビ/パリ 2004年7月23日―UNEPによる1、100万ドルに上るメソポタミア湿原の保全と飲料水の供給を目指したプロジェクトが今日発表された。

イラク湿原の衛星写真

同プロジェクトは、日本政府の拠出金によるもので、イラク湿原の復元と管理を環境適正技術を通して、支援するものである。湿原地域を中心としたコミュニティーに対して飲料水と衛生設備の提供、そして住民の生活環境の向上及び生態系の復元を目的とした湿原管理のパイロットプロジェクトが予定されている。

イラク湿原は、エデンの園が位置していたと一部の人々にみなされているが、20世紀の後半に大規模な被害を受けた。被害の背景には、チグリス・ユーフラテス川に新しく建設されたダムや、前イラク政権による大規模な排水施設等もある。

2001年、UNEPは衛星写真を示して、セイクレッド・アイビス(トキの一種)やアフリカン・ダーター(魚)のような稀少生物の宝庫であり、かつ湾岸漁業の産卵地帯でもあるこの湿原の90%が失われていることを警告した。

更に2003年に発表した調査報告では、さらに3%、面積にして325平方キロメートルが消滅していた。バビロニア人やシュメール人の末裔による5000年の文明の地は、2008年までに完全に消滅の恐れがあると専門家たちは危惧した。

2003年半ばのイラク前政権の崩壊によって、地域の住民たちは、水を湿原に戻すために水門を開け、堤防の破壊を開始した。

衛星写真は、今年の4月までに、約5分の1、約3,000平方キロメートルの湿原に水が戻ってきたことを示している。

現在の直面する課題は、環境を保全することとその周辺に居住する85,000人に対し、清潔な飲料水を供給することである。

最近の国連諸機関の評価及び公衆衛生調査によれば、マーシュ・アラブ(湿原に住むアラビア民族)のほとんどが、水を直接湿原から採取している。

この地域に定住している多くの人々は排水を道や近くの流れに流すなど、基本的衛生施設に欠如している。その結果、汚水が原因の病気の発生は、通常の事態となっている。

国連イラク復興信託基金の枠組みで認可された1,100万ドルのプロジェクトは、まず、およそ9から12居住地を対象に、おそらく太陽エネルギーを利用することになるであろう小規模な浄水システムの構築を目指している。

天然ろ過装置として機能する葦などの植生環境の保全は、地域住民に福利をもたらすばかりでなく、鳥やその他主要な野生生物の生息環境も提供する。

この他の活動には、この地域に関心のある人々が情報と戦略を共有するためのインターネット・ベースのイラク湿原情報ネットワークの構築がある。

復元事業のプロセスや、植生変化や水の再流入の進行度などは、衛星写真を利用して測定され、ほぼ毎日のペースで上記のネットワークで公開されることになる。

地域および国際レベルにおける、認知度向上のための活動も行われる。

プロジェクトでは、国や地方レベルのイラク政府関係者の研修も実施する。湿原管理、保全、遠隔操作分析、コミュニティーの資源管理などの分野の専門家育成を目指している。

数カ国の政府やNGOもイラク湿原問題に関与している。UNEPのプロジェクトは、関係者間の連携を強化し、住民、そして生態系に最大限の利益をもたらすことを目指している。こうした連携アプローチは、湿原管理の計画の将来的な構築に適用されるであろう。

クラウス・テプファーUNEP事務局長は「メソポタミアの湿原は、中東及び西ユーラシア地域において、最大の湿地帯生態系を構成している。また文化的にも重要である。UNEPは常にイラク湿原に関心を持ち続け、それらの破壊を検証し、世界に湿原の消滅を警告してきた。」

「それゆえに、私は、日本政府がイラク湿原そしてマーシュ・アラブの人々のために踏み出したことを非常に喜んでいる。世界の湿原の半分が過去100年で消滅している。このプロジェクトを通して得た知識・経験は、地球上の他の地域で失われたり、あるいは消滅しかけている湿原をどう蘇生させるかについて重要なヒントを与えてくれるものと確信している」と語った。

UNEPの技術・産業・経済局−このプロジェクトを進行する−モニク・バブー局長は、「我々は、関係するイラクの省庁、10人の地域及び国際専門家チームと緊密な連携を図っていく。プロジェクトは今日から始まる。まずフィールド調査から始めて、年末を目処に浄水施設のパイロットプロジェクトを開始したいと希望している」

「イラク湿原がどの程度復元されるのかは誰も完全にはわからない」と彼女は語った。「イラク湿原の将来は、チグリス・ユーフラテス川の上流下流域の国々の地域協力を含めたマスタープランを開発することに結果的に結びついている。」と彼女は語った。

このイラク湿原の環境管理を支援するプロジェクトは、日本にある技術・産業・経済局の国際環境技術センターによって実施される。

注:UNEPのホームページは http://www.unep.org/
  連絡先:国際環境技術センター  
   大阪事務所:Tel:06-6915-4581,Fax:06-6915-0304
       越智上級審議官または八田秘書 
   滋賀事務所:Tel:077-568-4581,Fax:077-568-4587
       青木企画官

イラク湿原復元プロジェクトに関するウェッブサイトは:http://marshlands.unep.or.jp/

  • リーフレット
  • (英語日本語